
住宅や不動産を購入する際、多くの人々はローンを利用します。しかし、ローンにはさまざまな種類があり、自分に最適な選択をする必要があるでしょう。ただし、専門用語が使用されているため、理解するのは難しいかもしれません。そこでこの記事では、固定金利と変動金利の違いと、お得な方法でローンを組むための情報を提供します。
変動金利と固定金利の違いとは?
変動金利と固定金利の違いは、借入時の金利が返済期間中に変わるか変わらないかがポイントです。さらに詳しく見ると、固定金利には返済終了まで金利が変わらないものと、一定期間金利が変わらないものがあります。
変動金利とは
変動金利は固定金利と比較すると低金利ですが、年に2回、通常4月1日と10月1日に金利を見直し毎月の返済額に影響がある可能性があります。
ただし、半年に1回金利が変わってもローンの返済額の見直しは5年に1回と決まりがあり、返済額が増える場合は元の返済額の1.25倍が上限とされているのです。変動だからといって急に返済額が大きく変わるわけではなく、金利上昇に備える期間は設けられています。
固定金利とは
固定金利には2種類あり、ひとつは借入終了まで金利が一定の全期間固定金利型と、もうひとつは借入時に決定した期間は金利が変わらずそれ以降は変動に切り替わるなどの固定金利期間選択型です。毎月の返済額が一定のため、月々の支出が計算しやすいでしょう。
住宅ローンの金利タイプの選び方
住宅ローンは借入額が大きくできるだけ金利を低く抑えたいと思いますが、固定金利と変動金利はどちらが得かを判断するのは難しいものです。損得ではなく、自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう。
金利以外にも注目すべき返済方法が2種類あります。元利均等返済は借入と利息の金額を計算し、毎月均等に返済していく方法です。一方、元金均等返済は借入の残高に対して利息を計算し、元金を返済期間で割った金額を合計して月々の返済額が決まります。
返済開始からしばらくは負担が大きいですが、元利均等返済よりも返済の総額は抑えられるのです。その点も踏まえ、家庭に合わせたタイプの選び方を紹介します。
利息を抑えたい場合
毎月の返済額より利息を抑えたい場合は、低金利のローンを選ぶのがおすすめです。変動金利型にかなり低い金利が適用されており、住宅金融支援機構による2022年4月の住宅ローン利用者の実態調査では7割以上の人が変動金利を選択しているとの調査結果がありました。また、元金均等返済を選択すればさらに利息を抑えられます。
低金利のメリットを利用したい場合
現在の日本は低金利が続いており、金利上昇がなければ返済額も低く抑えられることが変動金利のメリットです。返済額が抑えられると、家計にゆとりが出ます。低金利が続く現在のメリットを生かしたい場合は変動金利が選択肢になります。
借入金額が大きい・借入期間が長い場合
住宅ローンの借入期間は選べますが、毎月無理なく返済するために借入期間は35年・40年が主流です。借入期間が長いと金利上昇の影響も受けやすくなります。借入金額が大きい場合も金利上昇に影響を受けやすくなるのです。
この場合は、毎月の金利は多少高くてもライフプランが立てやすい全期間固定金利型が適しています。固定の金利は借入時点のものがずっと続くため、金利が低い時に借入を開始すればその後金利が上昇しても影響がなく安心です。
借入金額が少ない・期間が短い場合
ある程度自己資金があり、ローンの借入金額が少額な場合や期間が短い場合は、金利上昇の影響を受けるリスクは低いと考えられます。この場合は変動金利が適しているかもしれません。
変動金利を選ぶ際は金利上昇リスクに注意
借入金額や返済期間などそれぞれの状況に合わせて返済方法を選ぶことが大切ですが、変動金利には金利が上昇するリスクがあることを知っておきましょう。変動金利の見直しは半年に一度で住宅ローン金利の見直しは5年ごとなので、すぐに家計に影響が出るわけではありません。
しかし、金利が上昇し利息が増えると毎月の元金の返済にあてるお金が利息として支払われ、元金の返済がなかなか減らないという状態も考えられます。ローン期間が終わってもまだ返済が残っているという状況にもなりかねないので注意が必要です。
現在はかなり低金利でこれ以上下がることは考えられないため、変動金利を選ぶ際は金利の動向を日頃から意識しておきましょう。残りの返済期間や変動後の金利の割合など、場合によっては返済期間中に借り換えをしたほうが有利になることもあります。繰上げ返済でローンの元金を減らすことも対策のひとつです。
まとめ
ローンを組む場合は変動金利と固定金利があり、低金利が続いていたことを考えると変動金利がお得といわれてきましたが、今後の金利の動向はわかりません。
さらに金利が下がるよりも上昇する可能性が高く、自己資金やライフプランなどさまざまな観点から自分に合う金利タイプを選ぶことが大切です。ローンの細かな条件は銀行など借入先により異なるため、しっかり見極めて無理のない返済計画を検討しましょう。